脱原発と公安部 2012 6 10
2012年4月25日の週刊メールジャーナルには、このような記事があります。
「反原発の高まりで、誰が喜んでいるか」
関西電力の大飯原発3、4号機の再稼動の是非に象徴される、
原発問題が国論を二分する中、マスコミ報道によれば、
極左の過激派組織が、反対運動に潜行して勢力拡大を図っているという。
確かに成田闘争が遠い過去のものになってからというもの、
『中核派』、『革マル』、『革労協』といった極左組織の構成員は、
世代交代ができず、高齢化の一途をたどってきた。
4月5日付の『産経新聞』朝刊。
「過激派 福島大で暗躍」との見出しで、
『中核派』が、被災地の福島県で活動を活発化させ、
福島大を舞台に反原発の勉強会などを通じ学生をオルグしているとの記事が掲載された。
記事は、事実関係の論拠を「公安当局によると」としており、
「公安関係者」のコメントが、いくつか出てくる。
警察庁警備局や警視庁公安部の取材を通じた記事だということが推認できる。
東京・霞が関の内閣府合同庁舎。
ストレステストなど原発安全評価の会議は、
この庁舎で行なわれることが多いが、
ここで「原発反対」を叫び、
議決を妨害しようとする傍聴席の人々の姿が視界に入るようになった。
こうした「セミプロ市民」にセクトが近づいて共闘を持ちかけ、
組織に取り込んでいくのは、セクトの共通手口。
こうした極左組織以上に反原発闘争を追い風ととらえ、喜んでいるのが、
「警察庁警備局や警視庁公安部、公安調査庁といった公安当局」(ジャーナリスト)だというのである。
(以上、引用)
長くなりますので、続きの記事を要約すると、
冷戦の終結後、極左運動が衰退し、公安当局は、予算も人員も削られ、
組織維持の危機にさらされてきた。
一時は、オウム真理教問題で、組織維持ができるかのように見えたが、
これは、一過性のものとなった。
そこへ、反原発(脱原発)と極左活動の結びつきという「特需」が、
苦境の公安当局に舞い降りたというところでしょうか。
このようなテーマは、オウム真理教と違って、
公安当局は、ようやく得た「食材」として細く長く利用していくという。